COLUMN

発達障害の子への声かけ 自立につながる関わりの軸

発達支援コラム

※ この記事は、YouTubeで公開した動画・ショート動画の内容をもとに編集したものです。

「早くしなさい」「ちゃんとやりなさい」「集中して」。子どもに向き合っていると、つい強い言葉を使いがちになります。一見すると、どれもすごく正しくて大事な言葉です。けれども、それが逆効果になってしまうことがあるのです。

「思い通りに動かしたい」わけではないはずです

なぜ私たちはそう声をかけるのか。その原点にある思い自体は、とても素敵なものです。頑張ってほしい。将来のために力をつけてほしい。子どものためを思っているからこその言葉ですよね。

ただ、ここをもう少し明確にしておきたいのです。私たちが望んでいるのは、今すぐ片付けができる、いい子のように思い通りに動く姿でしょうか。本当はそうではなくて、「自立してほしい」。だからこそ、その声かけはどうしたらいいんだろうなと悩むわけなんです。

将来の力のために今すぐやらせる、ということを一旦置いておく。そのうえで、自分でやる力のために、自立のためにはどういう関わりがいいんだろうな、と見つめ直す。関わり方のゴールをしっかりと見つめていくことが、とても重要だと思っています。

そもそも「自立」とは何でしょうか

将来のために、どんな力を育てたらいいのかな。自分はどう思っているのかな。そこを明確にしておくことが大事です。この問いを飛ばしてしまうと、声かけが押し付けになったり、感情的なものに終わってしまったりするんです。ロボットのように動く子に育てたいわけじゃないですよね。

「自立」という言葉は、調べていただくといろいろな定義が出てくると思います。いろいろな言葉をヒントにしながら、「私はこう思う」というところを見つけていただけたらなと思います。参考までに、私の個人的な定義付けをお伝えします。

①選べること 自分に合うやり方を知っていて、それを選べる。そのことが自立だ、という意味合いもあります。
②頼れること できることはやったらいいし、できないことは頼る。工夫したらできるのであれば、物や人に頼るのもありだと思います。できないのなら「もうやらない」と決めるのも、ひとつの事実なのかもしれません。
③助けを求め、味方を増やせること 助けを求める。道具や人を味方にしていく。これも、自立にとって必要なピースなのかもしれませんね。
④折れない力 自分ひとりで何とかしなくちゃいけない、というところではなく、しなやかに生きていける。そこを目指すのが自立に合っているのではないか。これが私の個人的な定義です。

子どもの側から見ることが、声かけの第一歩

心配だから。将来のために。幸せになってほしいから。そう思って行う声かけでも、それが子どもに届いているかどうかは、また別の話です。押し付けになっていないでしょうか。

そもそも幸せとは何か、自立とは何か。そこをしっかり定義付けしておかないと、私たちは感情的になりがちです。そのためにもまずは、子どもからの見方に立ってみること。子どもの世界ってどんなものなんだろうな、というところに気づこうとすること。それが、自立を促す声かけの第一歩となります。

ポイントはここです。この方法がいい・悪い、「早くしなさい」という言葉がいい・悪い、ではありません。その子にとって今、合うのか合わないのか。見るべきはそこなのです。

行動に振り回されず、「何に困っているのか」を考える

目の前に起きている行動や言動に振り回されないこと。本人も精いっぱい表現しているのですが、まだ言葉にしている途中なんです。思っていることをそのままストレートに表現するのは、なかなかできません。

だから、この子は何が困っているんだろうな、というところを考えてみる。考えても考えても分からなかったりするんですけれども、それでも、考えようとしてくれていることは伝わります。すると本人はだんだんと、「あ、これでもいいんだな」というところから歩き始められるわけですね。

見方を変えれば、安心や笑顔に近づいていきます。「こんなふうになってほしいな」という子ども像にも、きっと近づいていきますよ。

村井泰志(ハリー先生)

この記事を書いた人

村井 泰志(ハリー先生)

株式会社ひといろは代表・発達支援アドバイザー。元小学校教員(8年)。特別支援学級・通級指導教室などで2,000人以上の相談・支援に携わる。プロフィールを見る →

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